第ー話 EPIgasの話(コンロ編)

キャンプ
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新しいブログのスタートはEPIgasの話をしよう。

EPIブランドが誕生したのは1961年イギリスの事、その後の1973年に、今やガスストーブでは当たり前になったが、ストーブ本体とガス缶を直接つないでガス缶をストーブの台として使うための安全弁のシステム【セルフ・シーリング・セーフティ・バルブ】を開発したのがEPIである。

因みにEPIって(Euro Pleasure International)の頭文字だって知ってる?(だからどうしたって話ね)。

1975年にバックパッキング用にBPコンロが発売されると1978年ついに憧れのEPIコンロが日本初上陸、続けてPSコンロとランタンオートとランタンスタンダードが相次いで発売された。

上陸を待ちわびて私が購入したのがASコンロとランタンオートだ。BPコンロが脚光を浴びる中ASコンロを導入したのには訳がある。因みにBPはバックパッカーの略、PSはピクニックストーブの略である。(ここまではEPIgas公式サイトHistoryより編集)

当時の私は釣りに夢中で、数人の釣り友達と遠征して釣りキャンプをするのが楽しみだった。登山を趣味としていた訳でもなく、オートキャンプが中心だった私は当時流行だったこともあってキャンプで使用していたのはコールマンの413Hと後に導入した414のツーバーナーストーブだった。このツーバーナーストーブはその後の家族キャンプにも役に立ったものの現在は物置に閉じ込めっぱなしで数年に一度着火の確認に引っ張り出すくらいになってしまった。この話はまた別の機会にすることにしてEPIの話に戻ろう。

コールマンのツーバーナーストーブに特段の不満があった訳ではないが、そもそも釣りキャンプのほとんどは弟と二人か二三人の釣り友とするのがほとんどで、車のキャリアからストーブを下ろし組み立ててスタンドを立ててという作業は明らかに面倒で釣りキャンプ用に小型のストーブが欲しくなって来ていた頃、ジャストタイミングでのEPIのガスコンロの登場である。勿論、コールマン製のPEAK1やスポーツスターなどシングルバーナーの小型ストーブは有ったもののタンク一体型のストーブはいかにも重く大きいので導入に二の足を踏んでいた頃で、バーナー本体とガスボンベが分離出来て絶対的に軽い、ポンピングなんて面倒な作業も要らないなんて夢のような話だった。

BSコンロは世界中で脚光を浴びるのだが私はPSコンロを選択した。前にも書いた通り山登りをする訳でもない私にパッキングの悩みは無いしオートキャンプで使っているコッヘルやパンを使うので五徳は大きいに越したことはない。車の隅っこにちょこっとおいておければ十分なのだ。因みにBPコンロは今は当たり前である折りたたみ式の五徳で更にバーナーをたたんで丸い風防とパンを兼ねたケースにパッキングするという通には大変嬉しい仕様だったが、面倒くさがりの私には大きなお世話の仕様だったのだ。

注文した物が届いて、まず驚いたのは緑色のプラスチックケースだった、四角いケースの四辺は何故か中央側に反っていてケースの蓋との間に見事な隙間が空いている、日本の製品規格に馴染んだ私は、不良品かと思ったくらいだ。しかし一緒に届いたランタンのケースも然り、これがこの製品の仕様なのだと無理やり府に落としたのだった。(笑)

さて、コンロの話だ。そんな理由でPSコンロを導入したのだが、とにかく簡単で便利。ガスボンベをクルクル回して取り付けたら火力調整ダイヤルを回し(これがまた私の脳に刻まれたナレッジと正反対に回すので、実際イラッとする)ライターで着火するだけ。

EPIgasPSコンロ、MADE IN ENGLANDが眩しい(そんなことは無いw)

当時はホエーブス(PHOEBUS)やオプティマス(OPTIMUS)が山の定番、たまに山に連れて行ってくれる先輩たちにこのPSコンロを見せたら軽さとコンパクトさに正直驚いていたよ。だからって彼らのストーブにとって代わるような事は無かったけれど(笑)

大変便利に使っていたPSコンロだけれど、地球の凸凹不安定なところでは、あまり大きな鍋を乗っけたりするとたまにひっくり返ろうとすることもあって1988年にコンロとガスボンベの分離型のアルパインストーブが発売された。低重心で五徳も十分に実用サイズでこれを機に私のガスバーナーの主役からPSコンロは外れてしまうことになる。

余談だけれど、今では誰もが「ストーブ」と言うけれど、これは「PSコンロ」だからね、何とも潔い名前ではないだろうか。そうだよ僕の生まれ育った日本じゃあ料理台のことは「コンロ」って言ったんだ。「ストーブ」なんて言うのは暖房器具のことだよ、料理に使ってもせいぜい餅かスルメを焼くくらいなもんだよ(笑)

さて、PSコンロから主役の座を奪ったアルパインストーブはガスのホースがオレンジ色の憎いやつ(笑)長い間、私の主力ストーブとして君臨したのだが、ある日どこかの野山に置き去りにしてしまった。本当は同じものが欲しかったのだが既に市場からは消え去り、代りに手にしたのはアルパインストーブとほとんど変わらないAPSⅡストーブ。イグナイター付きのやつを選んだ。殆ど外見も一緒でガスボンベと本体をつなぐチューブがオレンジからグリーンとなったくらいのイメージしかなかったけれど新旧合わせて優に30年を超える付き合いとなった。

アルパインの次世代はASP

とある日、OutdoorショップでOptimusのNOVA+に出会う事になる。あの無骨なSVEAからは想像出来ない何ともお洒落なストーブは遂にAPSⅡストーブも主役から引き摺り落としてしまいそうな勢いだが長年付き合って来たAPSⅡストーブとそう簡単に別れる訳には行かない、例えば2.000m以上はNOVA+、低山や河原ではAPSⅡ、今日の気分はNOVA+、明日の気分はAPSⅡと明確な基準は無いもののその時々の気分で使い分けることになった。

数年前、ストーブ類の点検をしていた時にちょっとしたミスでAPSⅡストーブのホースを燃やしてしまった、幸いにもバーナー側のホースを3cmほど切り詰めて接続し直して事なきを得たのだが、その翌日から行方不明になってしまった。どこにも持ち出していないので必ず家にあるはずなのだがどこを探しても見つからないのだ。

こうなるとどうにも気持ちがお落ち着かず、「キャンプでガソリン切れたらどうすんだよ」「NEOが有るじゃねか」「あれは山用だし、重心が高いしなあ」「EPIに分離型あるべか」なんて独り言が増え、何気にEPIのサイトを調べたらAPSA-Ⅲストーブって言うのがあったのでよくよく調べもせずについ手を出してしまった。

届いたAPSA-Ⅲストーブのケースの大きさに先ず引いた、中身を取り出して更に驚いた。ホースが異様に太くまるで水道のホースみたいだし、バーナーヘッドとゴトクが異様に大きくAPSⅡストーブをイメージしていた僕は、選択を誤ったことに気づいて血の気が引く思いだった。

それでもそのゴトクはAPSⅡストーブに比べてバーナーヘッドの内側まで入り、更には大きくなった三脚スタンドで、小さなコッヘルから大きな鍋まで対応出来るし、イグナイターのスイッチがガスボンベの取付け部に付いたので着火作業が安心して出来るようになったりとかなり機能改良されていた。ただこの大きさはアルパインと言うよりはピクニックストーブなんだろうと思えて仕方ないのだが。

去年のこと、アウトドアには全く興味を示さなかった次男が、テントを購入したと言う。子供たちとキャンプするのにお決まりのColemanの2ルームの大型テントを買ったそうで、まあ家族キャンプをする向きにはよろしいのでしょうが、私的にはあんな重くて設営も撤収も大変な物をキャンプテントとは呼びたくないし使う気もしないのだが(笑)

コンロが欲しいと言うので、それじゃColemanの2バーナーを持っていけと言ったら、ガソリンは怖いからいやだと言うので先のAPSA-Ⅲストーブを持たせてやった。昔々、お前たちとキャンプしたときの大型のクッカーキットと12インチのダッチオーブンも持っていけ。

APSA-Ⅲストーブは、アルパインストーブの枠を超える大きさだ

一年が過ぎ、庭で焚き物をしようと思いAPSA-Ⅲストーブを探したが見つからない、そりゃそうだ、息子に持たせてやっちゃったんだから。そうか無いのかあれ簡単で便利だったよなとか考え始めたら危険サイン。結局同じものを買う羽目になった。

因みに僕はコレクターじゃないから買ったものはガンガン使うし、ろくすっぽ手入れもしないので僕の道具達は一様にボロボロで、たまにしみじみ眺めてみるとな何とも可哀そうな気持ちになったりするのであるが、APSA-Ⅲは再度購入してからいまだに使っていないので当分の間はピカピカの新品だな。

歳を経て、応分に漏れず山歩きをするようになって始めてBPコンロを購入した。現在BPを冠したストーブは無くなり、BP用のフラグシップモデルは重量111gのREVOと言う超小型ストーブだが、僕はそれより少しだけ大きいNEOと言うストーブを導入した。ゴトクが大きく火力も僅かだがREVOを上回る。重量も185gとコンパクトストーブとして何の問題も無い大は小を兼ねるのである。

そんな訳で僕とEPIの付き合いはEPIが日本上陸したその年からずっと続いていて、それはEPIが僕に愛想をつかすか、僕が自力で野に出れなくなるまで続くだろう。

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