5月31日 阿武隈川を釣る(試験採捕 2回目)
試験採捕体験組合員Bros.出動
千週に続き阿武隈川の試験採捕に来た。今日は弟と前日入りしてちょっとだけキャンプの真似事をした。久しぶりの焚火の火とアルコールで気分は嫌でも盛り上がる。最近の暗いニュースの中で沈みがちな気持ちが、わずかながら解き放たれていく。早朝、眠そうな弟をせかして釣り支度を始めた、前回の試験採捕時にも組合員もそうでない人も含めて(組合員でない人は釣っちゃいかんよここは禁漁河川なんだから)結構な釣り人が来ていたので、早ければそれにこしたことは無い。予想通り駐車スペースには5人グループの若者たちが準備を始めている、僕らの脇を賑やかに、楽しそうに下流に向かって行った。渓流は密じゃないと言う話をよく聞くのだが、君たちは密だよ間違いなく。
今日は弟に釣らせなくてはならない、この区間は初めての区間だと言う。僕は前回予想以上の楽しい釣りをしたので弟の隙間を釣ればそれで良い。それでも何尾かは釣れるだろう、本来目的は解禁に繋げられるかどうかの調査なのだから。弟の釣り区間を残して少し上流へ先回りした、日曜日だけあって昨日のだろう新しい足跡が多く魚の反応も前回のようにはいかないがそれでも数尾のイワナをキャッチした。長い流れを前に気持ちよくラインを延ばしていると、護岸の上の道を一人のルアーマンがこちらを見ながら上流に向かう、「あれ。この上に川に降りれるような場所があったけな?」いったいどこまで歩くつもりなんだろうと思いながら後ろを振り向くと弟の姿はまだ小いさい。上流に向きを変え、ここ一番のポイントに向かおうとした時、そのポイントのすぐ上に先ほどのルアーマンが入った。どこから入渓するのだろうと思ったのだがそれはすぐ目と鼻の先だった。しかし信じられないことをするもんだね、ここで僕らの釣り終わっちゃうじゃないか。まあ、同じ調査員なのだから争ってもしかたがないのだが。
釣り上がって来た弟に事情を話し、ここで少し休憩して時間を稼ぐことにした。ベストを降ろしその中から飲み物と携行食を取り出してのんびりする。30分ほど昼寝をして腰を上げた。腹を満たし気持ちも少し落ち着いたところで、諦めムードながらルアーマンの後を釣り上がる、ところがどうしたことか予想に反してイワナの出が良いのだ。舐床の落ち込みの白泡辺り、広い流れの流心、流れ込み脇の石の前、分流が当たる石の前の反転流と極めて普通にイワナが釣れる。しかも25cm~27cm位の元気の良いやつばかりである。すっかり先行者の事など忘れて弟と交互に釣りあがった。
試験採捕も順調に進み弟の笑顔も絶えない、魚止めの滝までは残り150メートル程だが残るポイントからも不思議とイワナは顔を出した。滝下のプールから最後のイワナを釣り上げた弟も満足の釣りだったろう、釣りを終え川を下り始めた時にふと気づいた「あれ?先行したルアーマンはどこに行った?」そういえば滝下のプールと言い、その下流のイワナとヤマメをアベックで釣った流れと言い、ルアー釣りには絶好のポイントじゃないか、彼はそこを釣っていなかったのだろうか、それにしてもこんなゴルジュの川で脱渓場所などどこにもないし、まさかあの大滝を超えたわけでもあるまいが・・・。