フライロッドの秘密
これから釣りを始めるためには当然ながらフライロッドが必要になりますが一口にロッドといってもいろいろな種類があるのをご存知でしょうか?番手の話ではなくロッドの特徴、そう「ロッドアクション」と呼ばれていますね、ロッドの性能を表す表現にはいろいろな呼び方が使われます。ファーストアクション・スローアクション・ティップアクション・バットアクション・パラボリックアクション・ファーストテーパー・スローテーパー・フルフレックス・・・。いやいや、何のことでしょうか?これらの言葉がフライキャスティングの理論をややこしくしている大きな要因かもしれないね。
各部の名称
フライロッドは以下のパーツで構成されているのだ、覚えておいて損は無いよ、いずれ自分でロッドを作るときにもきっと役に立つだろう。
グリップ
フライロッドのコルクのグリップは握ったときにしっくりきて素敵だしデザインもいろいろあるので選択が楽しい。しかし自分の手の大きさやグリップする握力などを勘案した選択が必要になる。 実際、握ってみてからじゃないと良し悪しは・・・?なのだ。 下記にグリップの種類を紹介をしよう。
- ①フルウェル
- ②フィッシュテール
- ③パワフル
- ④リッツ
- ⑤ゴードン(リング&ポケット・ゴードン)
- ⑥シガー
- ⑥’リング・シガー・フラットシート
リールシート
リールをセットする部分をリールシートと呼ぶのだが、リールの取り付け方法(ロックシステム)にもいろいろな種類があるのだ。
スクリューロック方式のリールシートでリングを回しグリップ側に締め付けてロックする。反対にバットエンド側に締め付けるのをダウンロックタイプと言う
バットエンドにリールフットを入れるポケットが付いており反対側のリールフットをリングで抑えることでロックするタイプ
二個のリングでリールフットを挟むことでリールをロックするタイプだ。軽量なことから低番手のロッドに使用される。
ロッドアクション
ロッドのアクションはロッドの反発力と復元力について挙動を現すもので、着眼点によって何種類かに分類されるのだ。
ロッドの復元力による分類
一般的に次の3つの言葉で表されるのだけど、これらの呼び方はロッドの復元力(復元速度)によって分類されたものなのだ
- ファーストアクション:ロッドの曲がりが復元する時間が速い。復元力が大きい(復元速度が速い)ことからフライラインのスピードが速くなる。※HS&HLのHSがこれに当たる。
- スローアクション:ロッドの曲がりが復元する時間が遅いロッドは出来るループのスピードもスローになり、それに合わせてゆったりとしたキャスティングフォームが必要となる。
ロッドが曲がる部分を基準とした呼び方もある
ロッドの曲がる部分を基準にして分類する方法があります。一般的に次の3つの呼び方をします。
- ティップアクション:ロッドの先端部分から曲がる。曲がる範囲が小さいことから結果としてファーストアクションになることが多い
- ミディアムアクション:ロッドの中央部分から曲がる。曲がる範囲が広いことから結果としてスローアクションになることが多い
- バットアクション:ロッドの根本部分から曲がる(一般的にはキャスティングには不向きとされる)
ロッドの曲がり方での分類もあったりするのだ
ロッドの曲がる形状(ベンディングカーブ)による分類もあるもあって、例えばティップアクションの竿はロッドティップに負荷をかけたときロッド全体ではティップ部分がよく曲がります。それに対して同様に負荷をかけたときロッドのどこの部分をとっても放物線を描いて曲がり、全体でもきれいな放物線を描くロッドをパラボリックアクション(ロッドの曲がった形が放物線)とかフル・フレックスなどと呼ばれます。でも、曲がりの部分だけ見ればほとんどの竿はパラボリックに曲がるのですけどね。
テーパーデザイン
ファーストアクション・スローアクションと混同しやすい呼び方があります。ファーストテーパー・スローテーパーと呼ばれるのがそれで、ロッドのアクションを意味するのではなくロッドのティップ部分とバット部分の太さの比率(テーパーデザイン)によって分類される呼び方です。
- ファーストテーパー:ティップ部分とバット部分の太さの比率が大きい(ティップ部分が曲がやすいのでファーストアクションとなることが多い)
- スローテーパー:ティップ部分とバット部分の太さの比率が小さい(全体に曲がりやすくスローアクションとなることが多い)
昔は、ファーストアクション=ファーストテーパー/スローアクション=スローテパーと言うのが当たり前だったが、近年はデザインや素材の進歩もあって一概にそうとも言い切れなくなっているのだ。ますます頭が混乱することになりそうだ。