3月2日 余笹川釣行
今年もシーズンインは栃木県から。
珍しく雪の残るシーズンインとなった。この後雪は更に激しくなって来る。
3月が近づいてくるとどうにも気持ちが落ち着かなくなって来る。福島県の渓流解禁は4月だが近隣県の解禁は一ヶ月早い3月と言うのが殆どだからだ。そういう事で今年も栃木県余笹川でのシーズンインとなった。それにしても自然は僕らの自由にはならないもので、三寒四温と言われるこの季節、解禁日の前日から季節が冬に逆戻りで雪の中の解禁となったのだった。僕は解禁日の翌日、天気予報では今週一番気温の高い日を選んだのだがそれでも最高気温の予想は6℃、前日までの雪で下がった水温がどこまで回復出来るかが勝負の鍵になるだろう。
10時頃に現地に到着、解禁日翌日のこともあってか釣り人の数は予想よりかなり少なく、餌釣りの人たちが数人見られる程度だ。車を停めて釣り支度を始めていると雪がチラついて来た。今日は気温が上がるはずだったのになんて事だろうか、日頃の行いが良すぎるんだなきっと。予定ではポカポカ天気の中のんびりとライズ待ちをして活性の上がったヤマメと遊ぶはずだったのだが、この天候ではそう言う訳にも行かないので準備が出来たらとりあえず釣り上がってみることにした。#2ラインにティペットは7X、その先端にクロカワゲラパターンの#16を結んだ。水温は6.4℃、ドライフライの釣りには厳しい状況、最低でも7℃、出来れば10℃は欲しいところだが。
去年、稚魚放流されただろうヤマメ。厳しい冬を越えた生命力が伝わって来る。
川に立った頃、雪の量は更に増えてまるで吹雪のような状況の中で一投目、水面に落ちる雪に紛れてフライが見えない。ピックアップして2投目は流れの脇を静かに流れた。水面下で反転する魚体が見えて水面にリングがひろがった。右腕は自然と天に向きティペットの先で小さな魚体が跳ねた。今期最初の一尾、大事に丁寧にネットに収めた。小さな魚体からは一冬をこの川で越したその生命力が伝わって来た。その後もポイントポイントで同サイズのヤマメが顔を出し、2番ロッドを曲げてくれた。
ルアーマンが二人、相方にキャスティングやら釣り方やらを教えているらしい。
こんな悪状況下でこんな楽しい釣りが出来るとは思っていなかったのでとても幸せな気分、吹雪も去って陽も出始めたので本命の大堰堤に向かう事にする。ところがそこにはいわきナンバーの車が停まっている、先に入ったのならゆっくりと後を追えばつり残しを拾えるかも知れないと思い先に進んで川に下りようとしたところで釣り人を発見した。ルアーマンが二人、一人の方がもう一人にキャスティングを指導していて全く先に進む気配が無いのでここを諦めることにした。
久しぶりの野外ランチ。外で飲むコーヒーは格別。
そろそろ昼時なので国道沿いのコンビニで弁当を仕入れて、上流の流れに向かった。去年は砂防堰堤の工事で土砂が流れ込み、濁りと合わせてほとんど釣りにならなかったのだが既に砂防堰堤の工事は終っている。果たして魚は入っているのか、とりあえず腹ごしらえをしてからのチェックとしよう。久しぶりの野外でのランチ、澄んだ空気がコンビニ弁当を更に美味しくしてくれる。コーヒーを入れてのんびりランチタイムを楽しんでいると風が出て来た。とりあえず、風の様子を見ながら川に入って見ることにする、折角ここまで来たのだから魚がいるかだけでも確認して行こう。
少しだけサイズアップ。春のヤマメはこんなもんだよ。
ここから上は浅い流れが続くのだかちょっと下流に深みを構成する大石のポイントがある。時折イワナが着いているのだがどうだろうかクロカワゲラをダウンスクロスで送り込んでやると深みの尻まで流れた時にライズがあってヤマメがジャンプ、足元まで寄せたときヤマメが流れに戻った。ちゃんと魚は戻っているようだ、まずは一安心でもう一度同じポイントにフライを流すと小さな水飛沫を上げてヤマメがライズした。今度は慎重にナットに入れた。いくらかサイズアップしただろうか、春のヤマメのサイズとすればこんなものだろう。
当歳魚も居る。今年、稚魚放流されたものだろう。#16のフライが大きく見える。
その後は正面から吹き付ける強風と戦いながら小さな流れを釣って行く。フライを咥えたのは今年放流されただろう小さな当歳魚だ、同サイズのチビヤマメと戯れているうちに風は更に強くなりここで今日の釣りを終えることにした。今シーズンの初釣行は厳しい気象条件ながら釣れた数は二桁となりまずは満足の釣りとなった。チビヤマメ達が体力を付けて夏ごろにはロッドを絞り込んでくれるサイズに育ってくれる事を祈ろう。