5月29日 荒海川・戸石川釣行
行くあてもなく車に乗った。途中荒海川へとハンドルを切った。
金
曜の夜更けに家を出た。そもそも釣りに行く予定ではなかったのだがtwitterで釣りの話をしているうちに居ても立っても居られなくなり、車に飛び乗った。さてどこに向かおうか、喜多方方面かそれとも南会津方面か、原発事故以来、福島県内の釣行河川の選択肢が著しく減少したのは言うまでも無い。悩んだ末に安全策を取っていつもの南会津方面に向かった。
南会津町を流れる荒海川。ここから檜枝岐まで50km
同
じ会津でも南に位置する南会津近辺は少しだけ春も早いはず。先週戸石川を釣った時にシーズンインの気配を感じて来たので間違いは無いはずだ、大きな魚は望めないが戸石川か観音川に向かおう。下郷町のセブンイレブンで明日の朝食やら今夜のアルコールやらを仕入れて準備万端、目的の川はすぐそこのはずだったのだが、交差点を曲がる時になって「荒海川は?」って誰かが呟いた。「荒海川かあ」目と鼻の先だし早朝に荒海川を釣ってその後下郷町に戻ろうか。荒海川ならヤマメもイワナも釣れるしな、今年はまだイワナを釣ってないし良い考えかもしれないね。「これは、良いアドバイスをありがとう」って車には僕しかいないのだが・・。と言うことで、急きょ目的地を荒海川に変更した。
この流れの向かって右が荒海川。ここで2尾のヤマメを釣ったが。
下
郷町を過ぎ南会津町へ進み、会津田島で国道121号線を会津鉄道沿いに南に向かう。荒海駅を過ぎ七ヶ岳登山口駅を過ぎると塩原方面に進む国道121号線(日光街道)と旧舘岩村方面進む国道352号線の分岐に着く、352号線沿いの阿賀川本流である荒海川と、121号線沿いに流れる天王川の合流付近から会津高原尾瀬口駅手前のあたりを釣る予定。ここはイワナ、ヤマメの混在エリアなので楽しい釣りが出来るはずなのだが果たしてどうなる事か。合流付近に車を停め、車中泊の準備を済ませた。コンビニで調達したウイスキーで軽く晩酌をした後眠りに就いた。「オンザロックの氷の音と共に眠り鳥の囀りと瀬音で目覚める」と言う、ある種の贅沢も釣り人ならではの事。本来、僕はテント派なのだが最近はもっぱら車中泊がメインになって来た。テン場を求めるのも大変になって来ているし、里川の釣りが多くなってきているのもその理由の一つだ。【荒海川と山王川出会いのグッドポイント】
思ったよりも良型のヤマメにちょっとビックリだった。とにかく元気、いよいよシーズンインだ。
タ
ックルを準備し山王川に掛かる橋の所から川に降りた。早速、橋下の山王川を釣ってみたが全く反応がない、「こりゃあ、やっちまったか(^^;」気を取り直して荒海川に戻り、山王川との出会いのちょっと上のいかにも美味しそうなポイントにフライを流した。一投目は淵尻の沈み石周りにキャスト、早朝の捕食モードにある時は見逃してはならないポイントだ。沈み石の辺りをフライが流れた時、20cm程のヤマメが反応したがフライの直前でUターンした。「え、見切った!」、朝一から見切られたんじゃあこの先思いやられそうだ。
2尾目のヤマメ。先ほどよりは幾分サイズアップした。
同じ場所にもう一度フライを流すと今度はしっかりとフッキングした。なかなかどうして強い引き、久しぶりにローリングを繰り返すヤマメにワクワク。23cm程のヤマメがネットに入った。さらに、今釣ったほんの少し上の流れ込み付近で同サイズのヤマメを釣った。これもローリングよろしく、走り回った末にネットに収まった。実は、目的のポイントはもう少し先、この調子ならこれからが楽しみだ。【荒海川のヤマメ幅広でしかも肉厚、食べたら美味そう。僕は食わないが(^^;】 【同じポイントの2mほど上で釣った。ちょっとだけ大きいかな】ところが、その後はちびヤマメが数尾出ただけで頼みの目的のポイントでも全く反応が無かった。「これはいかん」この先はしばらくの間、脱渓不可能になってしまう事もあり、さっさと見切りをつけて最初の予定の戸石川に戻った。
戸石川のいつもの入渓場所。静かな瀬が心を落ち着かせる。大事に釣れば数も出る。
土
手の上をを歩いてポイントに向かう、ヒンヤリとした朝の空気が心底美味い。ワラビ取りをしているオジサンがいた、「おはようございます。たくさん取れましたね♪」朝の挨拶も気持ち良い。この心地よさが僕の殺気を完全に消し去ってくれた。ラインのクリーニングをしてからゆっくりと川に入った。水温は11.8℃、少し足が冷たいが良い感じだな。【いつもの川のいつものポイント、緩い瀬から釣り始める】
戸石川の一尾目。既に身体も出来上がって来ている。そのパワフルなファイトに脱帽。
水量は前回よりもずっと落ち着いてきているし川の全体の雰囲気もなんとも良い感じだ。釣り始めはいつもの瀬から、中央の瀬と左岸の浅場にヤマメは入っているはず、波立つ流れの脇からヤマメがヒットした、何とも良く走りそしてローリングを繰り返す。前回来た時とは魚のパワーが違う、やっと本格的にシーズンインしたという感じだ。この瀬で20cmクラスを3尾キャッチ、2尾バラシ。これはちょっと、良い感じじゃあないか♪【深みから浮いてきてゆっくりとフライを咥えた】
同じ瀬で釣れたコンディションの良いヤマメ。ファイトも素晴らしい。
瀬
の上の流れ込みは分流されていて瀬頭で合流しちょっとした深みを作っている。その落ち込みの脇にフライを落とすとゆっくりと浮いて来たヤマメが見えた、僕は一呼吸おいてゆっくりと合わせた。絶妙のタイミングだった。このタイミングで合わせられるのは心が落ち着いている証拠、こんな釣りは精神衛生にも好影響を与えるに違いない(笑)【やはり深みには良いサイズが入っている】
分流の深みから出た。やはり深みには良いサイズが入っている。
分流の左側は深く速い流れになっている、クロスダウンでフライを落としフリッピングで送ってやるとゆっくりとヤマメが浮いて来た。これも良いサイズだ、これも大事に呼吸を遅らせてフッキングした。流れに乗ってぐんぐん走り、停めようとテンションを与えると鋭くローリングを繰り返す。【これも良いサイズ】かなりの数をリリースし、心も体も十分に満たされていた。もう少し釣り上がったら、川から上がって朝食兼昼食としよう。
観客を前にランディングしたヤマメ。緊張の一尾だった(笑)
何
気なく川の土手に目をやると別のワラビ取りのオジサンが手を停めてこちらを見ている。目があったので軽く会釈をすると「釣れますか?」と声をかけてくれた。「はい、ボチボチと♪」僕は、何時も同じ答えをする事にしている、釣りをしない人に釣りの話をするのって結構面倒なものなのだ(笑) しかし、どうにも立ち去る気配が無い、ずっとこちらを見ている。やばい緊張するぞ、小心者の僕はプレッシャーに弱いのだよ。ループが乱れないように、フッキングを外さないようにと余計な気を使うじゃないか。パシャって水しぶきが上がってフッキング、思ったよりも良いサイズで良い引きを味わえた。瀬いっぱいに泳ぎまわってネットに入った。瀬の釣りはゆったりと対応できるのが良いね。無事ネットに収めたもの釣った喜びよりは釣って責任を果たした感の方が大きかった(笑)、照れくさいようななんとも言えない気分だ。「大きいですね」観客から声がかかった。「はい、ボチボチです」と返事をしてリリースした。【やっとイワナが顔をだした】
今年最初のイワナ。サイズなんて関係ありません。やっぱり嬉しい。
こ
の川は、ヤマメとイワナが混生する川なのだが、前回来た時もイワナの顔を見ていないし今日もそれらしいポイントを探ってみたのだが反応がなかった。車を停めたその真下まで来てそろそろ川を出ようと思いながら、ちょっと気になったほんの小さな石の裏でイワナがやっと顔を出した。「ほほう♪」今年初めてのイワナだからサイズなんか問題じゃないね。僕はイワナのこのきょとんとしたおっとり顔が好きなんだよなあ。ここまでヤマメ21尾にイワナ1尾。そのうちヤマメは23cm〜24cmクラスが6尾となんとも幸せな釣果となった。ここまで予定の行程の半分、とりあえず川から上がって朝食兼昼食を取ることにした。さて、この後どうしようか残りの半分釣る予定だったが、上流に目をやるとちょうど餌釣りの二人が川に入った様子、まだ昼前だし時間も早いが満足したまま釣りを終わることにした。 上出来な一日だった。