釣行記 4月1日(土)鮫川支流入遠野川の釣り(?)

福島の解禁を目前にして解禁日の4月1日のスケジュールが飛び込んできた。今年の解禁は土曜日と言うこともありスケジュールを入れないようにしていたのだが今回の予定ばかりはどうにもならない。すっかり諦めていたのだが思いに反して事はとんとん拍子に進み午前中には用事が済んだ。

天気も良いし絶好の釣り日和だヤマメが僕を呼んでいる。ウェーダにシューズ、フライベストは車に積んだ、あとはロッドとリールを持つだけだ。部屋のクローゼットのリールケースからDT3Fを巻いたビルバランを取り出した。巾着を開いてラインが巻いてある事を確認してポケットに入れた。もう一個予備を持つかなと思ったけれど、「ラインも確認したし、今日はそれほど時間も無いし、まあいいか」と持つのをやめた。

去年の春、解禁直後の渓で滑って転んで石にぶつけて動かなくなったレナードミルズの一件をふと思い出した。弟が持っていた予備のリールを借りて何とか釣りが出来たという苦い思い出である。

車はのどかな田舎道をのんびりと進んで行く、雲一つ無い青い空と例年より一週間以上も早咲きの桜の花とのコントラストが何とも清々しい。道端のフキノトウは既に満開で空に向かって思いっきり丈を伸ばしている。絵に描いたような田舎の春の風景が窓の外に広がり心は充実感と幸福感に満たされていく。

家から小一時間走ると目指す流れに着く、いつものように橋の脇に車を停めた。車を降りて背伸びをするとほんのり甘く青い春の匂いが身体中に広がって行く、今日ほどの天気と季節感にあふれた日は二度と廻ってこないのでは無いだろうかとさえ思ってしまう。

最近はめっきり筋力も弱りウェーダーの脱ぎ着も容易ではない。ウェーダーの脱ぎ着用にちょっとだけ丈の高い折りたたみ椅子を車に積んでいる。この椅子は何かと重宝である。椅子に腰かけウェーディングソックスを履きウェーダーを履いた、インナーのタイツは家から履いて来た。膝の曲げ伸ばしが少しでも楽なようにここ何年もタイツ+ウェーダーのシステムになっている。

アメリカから取り寄せたREDINGTONのシューズ、シューレースを交換したらChotaのSLTみたい(笑)

今日のウェーディングシューズはREDINGTON製、このシューズの風貌がなんとなくChotaのSTLに似ているのでSTLを真似てシューレースをクイックレースに交換した。フライマンは見た目が大事(笑)

昨晩プリントアウトした遊漁券をベストのチケットホルダーに入れた、最近はオンラインで遊漁券を入手できるのサービスが広がってとても重宝している。ウェーダーを履いてシューズのレースを締めたらベストを着る。今日は温かいのでpatagoniaのキャプリーンのTシャツ一枚で充分だろう、帽子を被り偏光グラスをかけたら釣り支度は完成。

プリントアウトした遊漁券が何故か悲しい

ロッドをソックスから取り出してフェルールを繋いだ、皮製の巾着からビルバランのフライリールを取り出しロッドに装着しようとして目が点になった。

家を出る前に確認したラインはフライラインでは無かったの巻

スプールに巻かれたライトグリーンのラインはフライラインではなくバッキングラインだった、細いバッキングラインの端っこがかすかに吹く春の風に揺れた。家を出る前に巾着の中のリールにラインが巻かれているのは確認した、ただ、それはフライラインでは無かったと言うことだ。そして驚くことにこのリールはビルバランではなくレナードミルズだったのだ。己の老眼がこれほど酷いとは呆れて言葉も出ない。

巾着にリールを戻し、ロッドを畳んでロッドソックスに戻しハットとベストを脱いで車に放り込んだらChotaもどきのREDINGTONのシューズをふらつきながら脱いで、patagoniaのガジェゴスウェーダーとウェーディングソックスを脱いでクロックスに履き替え、偏光グラスをケースに戻し、いつもの眼鏡にかけ替えたら今日の釣りは終了。

去年の春、レナードミルズを壊し予備のリールを借りた時の弟の言葉がはっきりと聞こえた「遠征だっていうと使いもしないリールを一杯入れたリールバッグ持っていくくせに何で普段は予備のリールを持っていないんだよあんたは!」