6月22日 高瀬川釣行

 「虹鱒が釣れました」友人からのメールの真相は

高瀬川
天然のヤマメが姿を見せる一級ポイントを持つ高瀬川

日、桧枝岐で釣りをしている時に友達からメールが入りました。「この前高瀬川に釣りに行ったら虹鱒が釣れました。ジャンプするし結構引くのでおかしいと思ったら虹鱒でした・・・」まさかとは思いますが、友人が嘘をつくはずも無く・・・。今日はヤマメ釣りを兼ねて様子を見に出かけることにしました。今日は、大雨の予報に反してシトシト降りの釣りには最高の状況です。友人の話していたポイント付近から入渓しました。友人は渇水していると言っていたのですが渇水しているわけではなくもともと水量が少ないのです。例年と比べればどちらかと言えば増水気味です。どうやら先行者が居るらしく、どうにもヤマメの出は渋いのですが、ところどころのポイントで新子のヤマメがフライに飛び出します。どうやら稚魚放流したばかりのようです。釣りをしていると新子のチェイスは正直、煩わしいのですが(笑)新子のヤマメの姿を見るとこの川の豊かさを感じずには居られません。この区間は本来、漁協で放流していないこともあって数は少ないのですが本当に綺麗なヤマメが棲んでいるのです。深みが大きく歪曲する見るからに絶好のポイントにスルーウイングダン#14を投げるとパシャッという水音とともにフライが消えました。Orvisのヤマメスペシャルが恥ずかしげにお辞儀をしています。それほど大きくはありませんがネットに入ったのは綺麗なヤマメです。川の先住者。完全無欠です。

高瀬川のヤマメ
どうです、とても綺麗なヤマメでしょう。これだけの別嬪ヤマメはなかなかいるものではありません。大事にしてくださいね。

「こんな綺麗なヤマメがいるんだから生態系を壊すような事をしないで欲しいなあ」その後、釣るつもりは無かったけど新子も釣ってしまいました。新子も完全無欠。次の世代を担う小ヤマメです。「ホントに虹鱒なんかいるのかなあ・・」

ち込みから流れる水流が両側の大石に絞られる絶好のポイントにフライを投げると出ました、。フッキング。水面下を魚が走ります。背中が緑色に光る明らかにヤマメとは違う引きです。サイズの割には良くひきます。そのパワーがロッドグリップまで伝わってきます。グリップを軽くおこしてロッドを立て走りを停めると次はジャンプです。とにかくばらさない様に静かにネットに入れました。紛れも無く虹鱒です。サイズは25cmくらいの鰭の無い養殖虹鱒です。「やっぱりいたんだ・・」複雑な心境でしばらく眺めていたのですがいつもの習慣でリリースしてしまいました。リリースしたあと「あ、リリースしちゃって良かったんだろうか・・・?」と悩んだのでした。つぎに釣ったら可愛そうだけれどキープして美味しくいただくことにしようと決めて次のポイントにフライを流すと続けざまにヒットです。やはり同サイズの虹鱒です。取り込んだ後、僕に食われると思ったのか掴んだ手をするっと抜けて流れに戻っていきました。それにしてもいったい誰が何のためにこんなことをするのでしょうか、漁協も放流していない虹鱒が大量に生息しているのにはどういう理由があるのでしょうか?友人は、上流の釣堀りから逃げたらしいって聞いたと言っていましたが上流の釣堀までは十数キロ、途中にダムが二つもあるのであまり考えにくいと思います。だとすると、ゲリラ放流でしょうか!?ちょうど川原まで車で入れる場所(この川にはここしかありません)の付近に姿が見られるのもそれを物語っているのでしょうか。魚体もほとんど同サイズで同じ養殖池に居たのだろうということが用意に推測できます。

高瀬川のニジマス
まさかと思ったのですがやはり居ました。鰭無しのニジマスなので明らかに成魚で川に入ったものでしょう

こには数は少ないのですが天然ヤマメが棲んでいます。虹鱒の放流によって万が一、生態系が崩れるようなことがあったらとても悲しい出来事です。御存知のようにニジマスは成長も早く魚食性でもあることからもし定着するような事があれば少なからず影響がでるでしょう。ただ、この河川では水量が少ないので定着出来るポイントが少ないのです。それはイワナと違いヤマメと少なからずかぶってしまいます。荒川(宮城)や寒河江川(山形)などの大河川ならいざ知らず、このような渓流の上流では棲家の奪い合いになってしまいます。まあ、この川に成魚放流したところで定着することはないと思うのですが。釣り人の想いだけで外来種を移植することはとても危険なことです。ブラックバスやブルーギルがもたらした問題と根底は全く同じところにあります。川でにニジマスを釣ったことのある人なら分かるでしょうがあの引きとファイトはとても素晴らしいものです。川で大きなニジマスとファイトしたい気持ちも良く分かります。しかし福島県の素晴らしい流れと自然は出来ることならその姿を保ち続けて行きたいものです。

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