5月13日 井出川釣行
井出川はまたも雨模様
雨降る井出川を釣る
「ガーン!」週末の釣行を楽しみに、GW明けの永い一週間を耐えたのに、朝目覚めたら外は雨。なんということでしょうか。日ごろの行いが悪いのか、神に見放されたのか・・・。すっかり気温も下がり肌寒いくらいの土曜日になった。しかたがないので、今日はタイイングに精を出してフライの増産でも図ることにしよう。軽く朝食を済ませ、タイイングデスクの前に座った。バイスにフックを挟み、コーヒーを一口飲んだそのとき・・・。「このぐらいの雨がちょうどいいんじゃない・・」「魚の警戒心も薄れててさ・・」「田植えの時期だし、雨だし釣り人も少ないんじゃないの・・」なにやら、釣り人に都合の良い声がどこからか聞こえてくる。「疲れてるし雨の中じゃなあ・・」と思うのだが・・。さらに誘惑の声がする。「この前お落としてきたフォーセップ見つかるかもしれないし・・」先般、井出川に行った時にお気に入りのフォーセップを落としてきた。先端がマグネットになった優れもののフォーセップ。その後、SHOPに2、3回いってみたがなぜか同じものが見つからない。メーカーも覚えてないし、他のメーカーのにしようかなとは思うのだが踏ん切りがつかずにいた。「よし、行くか!」結局は雨の中出陣することになった。なんと優柔不断なことか(笑)雨は一向に止むことはなく、ますます強くなってくる感じだ。「釣り人も少ないだろう・・」なんて声は嘘だった。この雨の中、どこからともなく集まってくる釣人って何なんだろう(あ、自分もだ・・)
ミズ(ウワバミソウ)美味しい山菜
ウェーダーを履き、ウェーディングシューズの紐を締めていると上流の方から来た一台の4駆が停まった。どうやら地元の餌釣りのお兄さんらしい。「釣りかい・・?」「はい(見たら判るべっつうの)」「ここ初めてか?」「はい」面倒なので話をあわせて、井出川初体験ということになった(^^;「いやあ、上入ったけど水少なくてダメだ。2匹しか釣れなかった」「そうですか、ここ上流のほうがいいんですかね?」さりげなくポイント聞くと「いや、そうじゃねえ、上入っただけだ・・」自分で上が良いって言ってるのと同じだべっつうの(笑)「水が少ないのはともかく鵜が入っちゃってダメだ・・」「えっ?カワウすか?」ここにもカワウが来てるのか・・。カワウ問題、深刻だなあ。支度を整え、ちょっとだけヤブコギをして川原に下りようとしたその時「バシャバシャ!」目の前の小さなプールで餌を取っていたツガイのカワウがこちらの存在に気づいて大慌てで上流に飛んでった。「マジかよ!何もここにいなくてもいいべ・・。(驚)今、入ったばっかりだっちゅうの」しかも上流に行くことないよなあ。今日は釣りにならんかもしれないなあ。いやな予感を押し殺し、川にはいった。やはり反応がない。っていうか生態反応が感じられない(涙)しばらく我慢して釣り上がると”スーッ”っと足元を走るヤマメの影。「よかった。ヤマメいたよ。カワウにみんな喰われちゃったかと思った(笑)」
フワッと出てフライを吸い込んだ
浅い流れの芯から20cm程のヤマメをキャッチ。その後4、5尾のヤマメを追加した。カワウの影響もないわけじゃないだろうし、釣り人の足跡もいっぱい付いているがやはりこの雨が警戒心を弱めているのか、出方はシビアだが反応は良いみたいだ。一安心して釣り上がると川の流芯が大きな石で分流されている奥の流れで動くヤマメを確認。水面には出ていないが水面直下を流下しているなにか(きっとイマージャーかな・・)を捕食しているようだ。距離にして10m弱。流れを分けている石にラインを乗っけてドラッグを回避しよう。フライ、ティペット、リーダー、ライン。ロッド、リールすべて確認して準備完了。いつもよりはるかに慎重(笑)というよりこの雨のせいか、なんとなく余裕がある感じ。思ったとおりに一発で入った。手前の石にラインが乗りその裏側にフライが着水。静かに流れに乗ったそのとき、フワッっと浮き上がったヤマメはなんの疑いもなくシロハラコカゲロウを模した#16のパラシュートを咥えた。「ほい、やったね」と、ここまでは計算通りだったがフライを咥えたヤマメはその大石の下に反対側から潜った。リーダーが石にかかってテンションを保ったままになっている。ラインを上流側にはずしても下流にはずしてもテンションが揺るんだとたんサヨナラになる可能性が高い。バーブレスじゃなきゃ良かった(笑)
次々とヤマメが顔を出す
テンションをかけたまま石の方に近づくことにして2、3歩移動した時に魚が石の側面をなぞるようにしてスルッとこちら側に出てきた。思ったよりも良いサイズだ。慎重にネットを入れる。ネットに収まったのは25cmくらいのヤマメ。この川じゃ良型の部類だな。やっぱり渓流のヤマメは綺麗だね。しばし見とれて流れに戻した。その後2尾追加して上流に移動した。昼食用に準備したハムとチーズを挟んだパンを食べて入渓。ここも足跡が多い。なかなか反応が出ない。目の前を小さな黄色いフライが横切った。フタバコカゲロウだろう、もう一匹飛んでいる。近くのくもの巣を見るとシロハラコカゲロウとフタバコカゲロウが引っかかっている。昨日いくらかのハッチがあったのだろうか、ペールモーニングイエローのフタバコカゲロウパターンのソラックスダン#18を結んだ。フライを替えたとたん早速ヒット。良い感じだ。その後はポイントらしいポイントから次々とヤマメをヒット。いやいや信じられないほどのヤマメをGETした。すでに2ケタ20尾は軽く超えただろう。サイズはいつものレギュラーサイズだが綺麗なヤマメを見るたびに感謝。
グラマーでしょ。鰭の大きさはどうです
「あっ!」今日はじめてバックの木の枝を釣った。調子の良い時は木の枝も釣らないものだな(笑)残念ながら回収不能。ティペットを交換してフライボックスを取り出そうとベストのポケットに手を入れたその時。足元に目が行った。「あった!」なんと、数週間前になくしたフォーセップが右足のその先に沈んでいるじゃないか(喜)いやあ、日ごろの行いが良かったのか、はたまた神さまは僕を見捨てなかったのか。SHOPにいっても代わりを買わなかったほど愛していた思いがきっと伝わったのだろう(笑)それにしても信じられないが前回もここで枝を釣ったってことだよな。釣りにきてよかったなあ。きっと神の声だったんだな。間違いない。
ありました大事にしていたフォーセップが