3月10日 狩野川釣行
数日前からの雨の影響で伊豆の春は後戻りしてしまった
東北新幹線で南へと向かう
3月9日 金曜日、埼玉の釣友からメールが届いた。「狩野川に行きませんか、アマゴがいっぱい・・・。」解禁になるのを今か今かと待っているOwnerには目の前にニンジンをぶら下げられたようでふたつ返事で「いぐう♪」金曜日、仕事を早めに切り上げ定時で退社し、新幹線のホームに立った。 釣りは北に向かうものとの思いが僕の中にはいつの間にかできてしまっていて、南に向かうことにどこかしっくりこない気持ちを抱えながら新幹線に乗り込んだ。そういえば列車で釣りに行くというのも初めての経験でちょっとした旅情を感じては少し恥ずかしくもなったりする。小さな伊豆の踊り子に出会う楽しみで心がはやり落ち着かないまま、釣友の待つ駅に到着した。窓の外の闇のなかのホームがまた感傷を誘うのかもしれない。 そうはいっても、列車の旅は埼玉まで、今夜は釣夕の家に厄介になり明日早朝伊豆への出発の予定だ。
すべては明日だ。
3月10日 土曜日、早朝3時に起床、一路伊豆を目指し東名を南下する。まだ車窓の外は闇、目的地への長い道のりをうかがわせる。運転する釣友を眠らせないようくだらない話を続けたのだが、ここのところの忙しさでめっきり疲れきっている僕に容赦なく睡魔が襲ってくる。御殿場を降りる頃にはすっかり熟睡してしまった。目が覚めたら目的地は目前。愛すべき友人に感謝。 入漁券を購入し、早速川に入ることに。 東京料金所・・先はまだ遠い
向かったのは実績のある狩野川の支流大見川のそのまた支流。友人曰く「ここは必ず釣れるポイントだから、ここでアマゴの顔をみて後は安心して本流に行きましょう」
「その言葉にはなんの問題もない。思えば、アマゴを釣ったのは本来生息しているはずも無い山形の某河川が最初で最後。いやがおうにも心がはやる。しかし、暖冬のせいか、思ったより水深も浅く魚の走る姿も見えない。
笛吹けど踊り子は踊らず・・。
「おかしい・・」「出ないなあ・・・」ん〜、ここで出ないとなるとあせるなあ・・。」とは愛すべき友人の言葉。しばらく釣りあがったものの全くそれらしき気配も無い。「やばいですね、これは。ちょっと焦りますよ」でも、Ownerはそんなことには慣れっこだからして、「大丈夫、大丈夫、川はこんなに大きいんだから・・。本流にいくべ」ということで、狩野川の本流に向かいました。 さすがに、有名ポイントには人がたくさん入っています。小心者の僕にはそんな皆さんのお仲間に入っていくことなんか到底できません。もう少し上流の湯ヶ島温泉付近を釣りあがることにしました。
湯ヶ島の温泉付近。水温は8.7度、ここは本当に伊豆なのかしらん?水が・・冷たい。っていうか水が冷たいのは当たり前で、どうも右足のつま先辺りが冷たい。どうやらウェーダーから浸水している模様です。。ウェーディングシューズを新調したばかりで今度はウェーダーか・・。さすがのOwnerもこれには参りました(涙;踊り子の姿を求めて、あちこち場所を移動するが残念ながら姿を見ることは無い。有名なポイントの慶応リハビリセンター前の上流にある嶺松陰渕を眺め昼食をとる。午後になり、
湯ヶ島温泉付近
幾分水温も上がってきたのだろうかコカゲロウたちのハッチも心なしか多くなってきたようなきがする。よく見ると嶺松陰渕でかなりの数のライズがおきてきた。サイズはそれほどではないが橙色の模様がついた着物を着た伊豆の踊り子達の乱舞が始まった。昼食を食べながらしばしその踊りに見入っていた。昼食をすませさっそく、ライズをとりに川原に向かった。川原に立ったとたんさっきまでの乱舞がウソのように川面は静まり返っている。踊り子たちはどこに行ったのだろう。なんてシャイな踊り子たちだ。それでも石化けして待っていればまた踊りが始まるはず。冷たい川に立ちこんで身動きせずに開演を待つのだが、ウェーダーの中に入りこんだ冷たい水が体を締め付ける。もうどうにも我慢できない。
結局、この大舞台をあとにして少し上流のログハウス前を釣る。吉奈川の合流付近を釣っているとちょっとしたポイントからやっとアタックがあった。それほど大きなサイズではないが無意識に手首が返った。「プチおン」という音とともにアマゴは流れに消えた。今回、本流を釣るということもありヘビーなのはわかっていながらどうしても使いたくてしばらく使っていない#5のロッドを持ってきた。さすがに、棒切れのような#5に7Xティペットではきつかったかもしれない。いつも使っている#2のロッドの感覚であわせてしまった。Orvisのヘンリーズフォーク#5。昔はよく使ったのだが、昨今の繊細な仕掛けの流行とともにすっかり出番がなくなっていた。
ヘンリーズフォーク#5沈黙
良い思いをさせたかったのだが・・。そのすぐ上のポイントにキャストした。ラインをリリースしたとき左手からスルッとラインが逃げた。「あっ!」そのときフライに良いサイズのアマゴがアタック。もちろん合わせられるはずも無く。彼女は二度と姿を見せることは無かった。 頑張るもその後はライズもなく、本日の釣りは終了。でもまあ明日があることだし。ふと、入漁券をかった釣具店の主人の言葉が脳裏を過ぎった。「解禁してからしばらく経つからみんな抜かれちゃったし、上流のほうも放流してるけどそんなに多く放流してるわけじゃないしみんな散らばっちゃうんですよ川大きいしね・・」・・・・・無言
湯ヶ島に「河鹿の湯」という古い共同浴場がある。大人250円というリーズナブルな料金はどうだ、冷え切った体と心を芯から温めてくれた。
湯上りに夕涼みのおばあさん
夜半から雨が降り出した。しかし僕のイビキに比べればたいしたことは無かったようだ。愛すべき友人に乾杯。(笑) 3月11日 早朝、かなりの雨が降っていたが、やがて小降りになり僕らは日ごろの行いに感謝しつつ出発することにした。狩野川上流は水量こそ増えていたが濁りも無く期待は膨らむばかり。今日は天城峠を越えて河津に下りて河津川を釣る予定、峠を下ると雨も止み日差しも見えてきた。河津に下り、セブンで朝食と昼食を仕入れ、入漁券を購入することにした。セブンの裏手の河津川にはフライマンが一人ラインを伸ばしていましたが・・・かなり厳しい状況です。
結局、狩野川に戻り昨日のリベンジを果たすことになりました。今来た道を戻ります。天城峠を下ると狩野川の上流が見えてきました。「あ〜!!」朝、綺麗だった狩野川本流が河津と同じチョコレート色になっている。なんてことだこれじゃあリベンジも危ういではないか・・・。 止む無く支流を覗く、幸い濁りは入っていないようだ。早速川に入ることにした準備がもどかしい・・。
しかし川の色をみて唖然・・。ミルクチョコレート色の流れは川原の草を飲み込むほどに増えていた。
ここでは#3のロッドをチョイス。ところがリールを忘れた(^^;リールを借りて川原に下りた。愛すべき友人に感謝。ちょっと良さげなポイントにキャストすると、出ました。理想的なフッキングと思いきや「プチン」とまた切れた。今度はリーダーとティペットの繋ぎ目から切れてしまった。60cm以上のティペットを口からぶら下げた彼女は、今出た沈み石の脇でフックをはずそうといつまでも頭を振っている。
かわいそうだが幸いバーブレスなのですぐに外れることだろう。やがて彼女は深みに姿を消した。予想通りのポイントから予想通りの出方をしたのだが・・・またしても切れた(涙;ティペットが弱っていたのかも・・。その上の流れにキャストするも反応が無い。もしやと思い落ち込みの脇の石の手前の伏流にフライを落とす。本来ならイワナのポイントだが・・。伏流にのったコカゲロウパターンに白泡の中からロケットのように良いサイズのアマゴがアタック。残念ながらフッキングしなかったがもう一度フライを落とすとまた出たが、やはりフッキングしない。
狩野川の支流 かろうじてセーフ
浅田わさび店でお土産にわさび漬けを購入。釣友のお勧めの一品。確かに旨かった。帰りの新幹線に間に合わせるべく、東名を北上する。帰りは上野駅に下ろしてもらいいったん東京駅まで戻る。東北新幹線が東京駅まで乗り入れるようになって上野の駅を使うことがめっきり無くなった。上野で自由席に乗るのは至難の業、始発の東京駅で満席になってしまうから・・。それで東京まで戻るのが一番。それにしても辛く長い釣りだった・・。この恨みは別の川で晴らすことに・・・(笑)
釣友お勧めのわさび漬けをお土産に
なんとも可愛い伊豆の踊り子