8月10日 玉川(山形県)釣行
久しぶりに遠くに行きたくなって朝日の山々へと出かけた
梅花皮荘の背に飯豊連峰が横たわっていた
8月9日、仕事を終えてそのまま山形へと車を走らせた。久しぶりの単独釣行だ。目的地は小国町。荒川に向かうかそれともまだ言ったことの無い玉川に行ってみようか決めかねながら飯坂ICを降り国道13号を米沢に向かい国道287号から113号線へと車を走らせる。この頃には行く先は飯豊連峰の麓の玉川に向かうことに決めていた。飯豊温泉の看板を見つけて山に向かい川を渡ると暗闇に国民宿舎飯豊梅花皮荘の明かりが見えてきた。現在時刻は深夜1時、闇の中から玉川の流れの音がはっきりと聞こえている。広い駐車場の片隅を借りて仮眠をすることにした。「明日の釣りに乾杯!」缶ビールの栓を抜いた。
目覚めると渓の音はずいぶんと静かになっていた。広い駐車場の向こう梅花皮荘の背には雄大な飯豊連邦が横たわっていた。初めての川だし、どこから入渓したら良いか解らないので、とりあえずは梅花皮荘で入漁券を求め梅花皮荘の裏から入渓してみた。梅花皮荘の隣、川入荘の裏の広いプールから梅花皮荘裏の橋の下の深みに流れ込む間に段々のポイントにまずキャストしてみた。
このフライに替えてからイワナが釣れ出した
フライは#14のアントパターン、水深30cmくらいのポイントに落とすと沈んだ小さな石の影からスーッと浮いてきてフライを見て軽蔑したように帰っていった。「え、何、なんで喰わんの?」また流してみるがもう浮いてこない。フライをエルクヘアーカディスの#14に取替えもう一度流すとそいつはまた浮いてきてはフライを横目で見て石の影に戻っていった。「なんでこんな場所で・・。スレてるわけ?」ビートルに替えても相変わらず出るが喰わない。口さえ使わないのだから悲しくなってくる。ニンギョウトビケラを模したCDCの#14のカディスに変更して流すと今度は後ろ向きに浮いてきてフライを咥えた。キャッチしたのは20cmをやっと超えるくらいのイワナだった。それにしてもこれほど苦戦するとは・・・。夏の開豁な渓でおっとりしたイワナを釣りたいとの思いでここまできたのにこのシビアさはなんなんだろう。答えはその魚体にあったかもしれない。一見綺麗に見えたイワナだが良く見るとエラブタがわずかに切れていて近々放流されたものだというのがわかった。果たして釣り大会でもあったのだろうか。ここ飯豊の麓まで来てこの魚体には少々ガッカリしてしまった。ここにはいくつかの小さなポイントが形成されているのだが良く見るとあちこちにイワナが定位している。フライを流すと同じように出るのだがフッキングには至らない。
エラブタが切れたイワナ | おなじようなサイズが・・・ | 飯豊連峰に向けて釣りあがる |
いやはや参った参った。何尾かは同サイズを釣ったのだがどうもいまいち心が燃えてこない。少し上流まで釣り上がって数尾を追加したが、熊さんも怖いし適当なところで切り上げた。実は本命は小玉川においていたのでそれほど熱くならずに済んだ(笑)漁協の名誉のために話しておくと入渓する場所が悪かったようだ小国町漁協のHPには放流場所が記されているので参考にしよう。さて、汗もかいたことだし昨日から決めていた川入荘のお風呂に入ろうと思い、暖簾をくぐろうとしたら「清掃中のため4時まで入れません」とのこと、涙が・・。しかたが無いので小玉川に向かう。そろそろ腹も減ってきたのでどこか食事をするところは無いだろうか。多少の食材はあるものの、やはり地元の食べ物があればそれを食したい。遠征時の楽しみのひとつでもある。小玉川に向かう交差点のところに民宿越後屋さんがある。そこでお昼をいただくことにした。僕はざる蕎麦をいただいたがメニューは豊富だ。イワナ料理が中心だがなかにはなんと「熊の手そば」などというびっくりメニューがある。熊の手がまんま入った蕎麦で、値段は10万円だそうな、自信のある人は食べてみたらいかがか(笑)当店の親父さんがマタギをされていたそうで壁には大きな熊の毛皮が飾ってあった。そのご主人が撮影した写真がアルバムに何冊もおいてあり飯豊の自然がとてもよく伝わってくる。写真の腕もそうとうなもので、訪れる機会があったら是非ごらんあれ。
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さて、腹も膨れたことだし小玉川に向かおう。少し走ると左手に小玉川が見えてくる。小さいけどなかなか良い感じだ。上流まで車で行くと「秘湯 泡の湯」の看板を発見した。飯豊温泉に入り損ねたので調度良かった。「旅館三好荘」がその泡の湯である。早速、温泉に疲らせていただく。料金は500円。泉質は・・・・含炭酸鉄芒硝食塩壱泉、含鉄炭酸石膏食塩泉だそうな。なんのことやら???早い話は炭酸温泉です。日本には6つしかないのだそうで貴重な温泉であるらしい。見た目はあまり美しくないのですが、少し低めの38℃の湯温はゆっくり入っていると体がポカポカ温まってきます。
秘湯 三好荘 | 炭酸泉の泡の湯 | お湯の表面には炭酸 の泡が |
さて、お湯もいただいたし、キャンプサイトを決めてイブニングといたしましょう。テーブルをセッティングし夕食の準備もそこそこに川に入った。ここぞというポイントにフライを流すが反応はなし。しばらく釣りあがったところに流れ込みが絞られちょっとした深みが現れた。出るとしたらここしかないだろう。フライを流すとキラッと反転した魚影があって体はひとりでに右手をあげていた。
唯一ポイントらしいポイント、ここから出たのだが・・・
フッキングしたのは銀色に輝くヤマメだ。「お、大きい!」それでも28cmくらいだろうか結構な引きとあわせて何度もローリングを繰り返す。プールも深いしリールファイトにしようとロッドを左手に持ち替えてリールを巻き始めたときフライが宙に浮いた。「あ〜!やっちゃった」バーブレスのフックは何事も無かったように水面に落ちた。よくやる失敗。少し良いサイズがかかるとリールファイトしようかななんて余計なことを考えてはフックアウトに肩を落とす。懲りない男だ(笑)気を取り直して釣りあがるけれど全くといっていいほど反応がない。先ほど入った三好荘の前を通り過ぎたところにプールがあって20cmくらいのイワナが数尾泳いでいた。ここで終了。明日は、キャンプから下流を釣ろうと決めていたのだが、決心が揺らいできた。「新潟にいくか・・・。胎内川のあたりはどうだろう。」思ったらもう止まらないセッティングしたテーブルと晩酌の準備を早々に片付け、新潟に抜けた。奥胎内は無理だろう、明日は帰らなくてはならないし・・。
大石ダム駐車場にて明日の夢を見る
一度は胎内スキー場まで行って見たのだが国道113号から胎内方面に向かう途中の大石川はどうだろう。この川はキャッチアンドリリース区間が設定された平らな川でフライをするにはストレスが少なそうだ。あたりはすでに真っ暗で川の流れも闇の中に黒く流れているので状況は良くわからないが明日に期待だ。近くにキャンプ場所(・・といっても車中泊)を探し大石ダムの駐車場にて睡眠をとることにした。