7月21日 浅見川釣行

 遥か昔に訪れた川は僕のイメージとは異なっていたが

浅見川
浅見川の白い流れ

出川でそれなりに楽しい時間を堪能したOwnerは前々から気になっている川に行くことにした。ここから南に15kmほど南下すればめざす浅見川に着く。なぜこの川がそんなに気になっていたかというと昔この川を訪れた時の記憶がぼんやりと脳裏に残っていてそのときの釣りがとても心地よかった気がするのだ。最後に浅見川を釣って何年経つだろうか、当時の情報ではこの川は漁協が無く地元の有志たちが放流したイワナたちが残っていると聞いていた。あまり魚影が濃くは無かったけれどそれなりに綺麗なイワナが釣れたのを覚えている。僕の記憶に残っているのはそれだけでは無く、上流の藪沢を除けば開けた荒れた川原でゆったりとラインを出してのんびりと釣りしたのを覚えている。その昔、息子たちが小さかった頃家族でキャンプに来たのもこの川だ。井出川同様澄んだ流れが疲れた身体を癒してくれた。そんなこともあり少し気になってきていた川だった。

見川に出合うところで交差点にぶつかる。右折して上流に向かうと坂の上手に「大滝旅館」が見えてくる。少し進むと浅見川名物の大滝が左手道路下に見えてくる。さらに車を走らせ上流へと向かい入渓場所を探すことにしよう。しかし、見覚えの有る風景は大滝のあたりまで、どうも僕の記憶とははるかにかけ離れた景色に迎えられた。木々は育ち、葉が生い茂って開けた流れなどどこにも見当たらない。入渓場所を探しながら上流に向かうと途中県外ナンバーの二台を発見した。餌釣り師が二人道路の上からはるか下の川を眺めている。腰には魚篭が下げられているがこの川の事情を知っていてリリースしてくれればいいのだけれど。そういえば上流に養魚場があったはずだ、少し車を走らせると養魚場跡を発見したがもうすでに辞めてしまっているようで荒廃した建物だけがひっそりと残っていた。この川の変わりように驚くばかり・・・。時代なのか、妙に何かが違っているような感じがした。もう一度、入渓場所を探して下流に車を走らせた。この川は谷が深いので退渓場所も考えておかないと痛い目にあいそうでキョロキョロしながら下っていくのだがなかなか場所が見つからない。さらに下るとちょうど川に降りれるような道を発見しそこを退渓点と決め、その300mくらい下流に車を止めることにしたのだが都合の良いことに入渓するのにちょうど良い小道も発見した。「こいつは朝から縁起が良いわい(^^)」 川に続く道があるってことはお魚さんもいるっていうことだろう。何事もポジティブに解釈するOwnerであった。(笑)さて、川に出ると「おお、雰囲気良いじゃない。」 葦の中を流れる水はあくまでも澄んで変更グラスなど要らない様で底石は白く流れは清い。

たして魚はいるのだろうか?澄んだ流れを進んで行くと葦の生え際から魚影が走った。「おっ! いるじゃないか(@@)」サイズは10cmくらいか、大きくなかったけど魚がいるのは確認できた。

ヤマメ
ヤマメが・・・イワナの川だと思っていたから・・・

そうとなれば俄然元気が出てきたOwnerであった。「おお、なかなか良い流れじゃない。」左岸の崖の下大きな落ち込みのちょっと上に小さなポイントを発見。落ち込み直前に顔を出した岩の前にちょっとした淀みができている。「いるならここだな。」本流の流心の向こう側、流せる距離は30cmほど、すぐドラッグがかかってしまうだろうがとりあえずCDCウイングのカディス#14をティペットに結んだ。静かにそのポイントにフライを落とすと黒い陰が浮いてきてフライを咥えようとしたがその時、計った様にフライにドラグが掛かった。フライを咥えそこなった25cmくらいのイワナは石の底に戻って行った。イワナだった。ここにいた。数年前からの憧れにも似た思いと記憶はこの風景とはかけ離れたものだったが唯一過去に繋がるのが今のイワナだった。「いるんだ。ちゃんと育っているんだ。」ものすごくうれしくなってた。

ヤマメ
こんなサイズが次々とヒットする

フッキングできなかったことなど全く気にならない。残念ながら二度目はなかった。しっかりとイワナの姿を見ただけで満足。気を落ち着かせて先に進むとそこは全体的に浅い瀬でポイントらしいポイントは見当たらないぐらいの流れ。当然餌釣りでは手も足も出ないでしょうね。この釣りだから出来るポイント、普段なら絶対に無視する様なちょっだけ流れが絞られている場所にキャストしてみる。「お、出た!」水深20cm位か、その沈み石からフライを飲み込むように出のはなんとヤマメ。この川にヤマメがいるなんて思ってもいなかったので本当にびっくりした。このヤマメが素晴らしイファイトを見せる。見事なローリングと走りに一瞬捕れないんじゃないかと思ったほどだ。ネットに収めると20cmそこそこのサイズなのでさらにびっくりしたOwnerだった。「へえ〜。そうきますか」「まさかねえ」半信半疑ながらザラ瀬の中のちょっとした流れのヨレとか沈み石の周りのちょっとした深みにフライを流すと出ます。そして走ります。ものすごく走り回ります。

ヤマメ
このヒレの大きさが強さの秘密か

距離にしてほんの5〜6mくらいの間で3匹をキャッチした。なんか信じられない出来事にびっくり。そしてそれはヤマメです。

の浅瀬だけで2桁をリリース。信じられないほどのヤマメと遊んでしまった。その上に少し長いプールが現れた。プールの尻で1尾、流心で2尾、そして流心をはずして岸沿いで1尾・・。こんなに釣れちゃっていいんだろうか。今年は少しおかしいんじゃないだろうか?Ownerの釣運を使い果たしてしまいそう・・。ところで、ここのヤマメの出方は実に上品でとてもおしとやかである。水面膜を突き破るような出方ではなく水面下からフライを吸い込むような感じ、まるでイマージャーの釣りでもしているようだ。フライが見えなくなったら合わせてみる、そんな集中力が必要だ。事実、「あれ?フライが無い」で、合わせてギューンと走る。出方はおしとやかでもフッキング後のファイトは凄い。

ヤマメ
美人でグラマーな彼女たちにOwnerは悩殺

浅い流れをグングン走るので気が抜けない。これで美人でグラマーときているからOwnerなんかひとたまりも無い。悩殺(笑)さらにリリースをしながら進んでゆくとなんとなく落ち込みや小さいプールなどが見え始めた。ちょっとした大場所の大岩の裏側のたるみにフライを落とすとゆっくりフライを咥えたのは綺麗な岩魚だ。オレンジ色の腹が地付きを伺わせるそして川底の色に合わせたグレイの体色の本当に綺麗だ。とにかく、イワナが残っているだけでも驚きなのにヤマメが入れ食い状態なんて信じらない。

んなこんなでイワナとヤマメを釣り分けながら進んでいるとすでに3時間がたっていた。川からはるか上空に道路が見えてきた。「あれ?退渓場所過ぎちゃったかな?」そもそも退渓場所なんて道路から見て勝手に決めたんだから川から見たらどんなとこなのかなんて全く解るはずが無い(^^;仕方無いが、今きた流れを下るしか方法は無いようだ。上りは釣りに夢中なので気が付かないのだが、雨と、朝霧に煙る流れを下るのはかなりのストレスだ。5分ほど川を下ったところで左岸から流れ落ちる水流

イワナ
待望のイワナ。僕の記憶と繋がっている

を発見。沢なのか大雨でできた流れなのかは解らないけど上れば道路に出るのは確実です。「バンザーイ!」急だけどわりと足場もしっかりしていて思ったよりも上りやすくガードレールを跨ぎ道路に出た。さてここから車までどれくらいかかるのだろうか。「先に見つけた退渓場所はどこなんだろう。3時間も川、歩いちゃったし・・。」左カーブを曲がったところになんとOwnerの車を発見。「あれ?あれ?」なんと、いま川から上がった場所か2〜3分しか歩いていない。入渓した場所から川は大きく道路を離れ、また戻たのだろう。それにかなりの数キャッチ&リリースしていたことも時間を稼いだのだろう。「ここ、良いなあ。でも遠いし・・・」きっとまた何年か経った頃に気になってくるんだろうか。我が思いとは,かなりかけ離れてしまっていたのだが。

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