6月5日 箒川C&R釣行
急に虹鱒が釣りたくなった。
午前中に仕事を済ませて東北道に飛び乗った。目的地は栃木県那須塩原、箒川のルアー&フライ専用エリアだ。何故か突然ニジマスが釣りたくなった。流れの中で走り回るニジマスの姿が脳裏に浮かんだら消えなくなっていた。今日は午後から雨の予報だが、さっさと仕事を切り上げて釣り場に着けば雨が降り出す前に釣りが出来るかも知れない。仮に雨になったところで降水量予報は1ミリ〜5ミリ程度だから問題無いし、かえってスレッカラシのニジマスを相手にするには好都合かもしれない。シーズン中にこの川に来ることは殆ど無いが2008年にこのエリアが出来てからシーズンオフには毎年通うようになっていた。七ツ岩下流〜箒川ダムまでは3月〜翌年1月まで釣りが出来るので一般渓流が禁漁になった時の暇つぶしに重宝している。スタート直後の年に訪れた時はサイズもその容姿も文句の付けようが無い美しいニジマスが僕らを楽しませてくれた。暇つぶしなんて言葉は失礼千万だったかも知れない。その後は、30センチ前後のひれの丸い成魚放流のニジマスが主流になりそのファイトも管理釣り場のそれで、スタート当初の熱いやり取りはメッキリ少なくなっていた。それでもたまには、ヒレピンのニジマスが掛ることもあって楽しいやり取りをさせてもらっている。
現地の駐車場に着いた。さっそくお土産屋さんのBLESSに出向き入漁券を購入し車に戻るといつもの漁場指導員のおじさんが居た。僕はここにはシーズンオフしか来ないけれどあのニコニコした笑顔はすっかり顔なじみになっていた。「こんにちは、お久しぶりで」と挨拶をして僕はタックルの準備に取り掛かった。僕はこの川用に3つのパターンのタックルをセッティングしていて、それは次のような組み合わせになっている。
- 1.フローティング#5
- (ドライフライ用、浅場のウェット用でリーダーは4Xティペットは5X〜7X)
- 2.インターミディエイト#6
- (流れの中のウェット用でリーダーは2Xティペットは3X)
- 3.シンクティップ#6タイプ2
- (深場のウェット、ストリーマ引き引き用でリーダーは2Xティペットは3X)
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いつもの僕の専用ポイント右上の大石の裏側の立ちクロスダウンでの釣りになる
まずは、いつもの僕の指定席の深場のプールを釣ることにした。#6のシンクティップに2Xリーダーをセットし、ロッドソックスからReviewの#6ロッドを取り出した。・・のはずが出てきたロッドはなんと#7、#8用、しかもティップが折れている。修理の依頼中のロッドを間違えて持って来てしまったのだ。ドライフライ用に持って来た#5のOrvisヘンリーズフォークを使うしかないが、今更ラインセッティングを替えるのも面倒なので#6のシンクティップラインをのリールをそのままセットし3Xのティペットを継ぎ足すとリードフライにフラッシュバックニンフレイクバージョン#8を結びドロッパーにはピーターロス#12を結んだ。ここはちょっとした小さな滝になっていて左岸から急流となって落ち込みが形成されるポイントで急流の巻き返しに二つの大きな岩が沈んでいる。ポイントはこの大岩の周りと流れが開ける渕尻の少し浅くなったところだ。
今日の当たりフライはフラッシュバックニンフ。キールになるようにウェイトが巻いてある
僕は落ち込みの上の石の上に足場をとった、一投目、さすがに#5ロッドに#6のシンクティップラインは重くキャストが不安定になる。#6のシンクティップラインではロッドがラインに負けてしまうが、そこはちょいと我慢して左岸の急流にフライを打ちこんだ。後は少しラインを引いて張り気味に沈んだ岩の前に送り込んでやるだけだ。フライはちょうど上手い位置でターンしてくれたようでちょっとだけラインを引いた時、グッという重みがロッドに乗った。一投目からヒットだなんてなんて幸先の良い事、今日は入れ食いのパターンでしょうか。(笑)
尾びれが丸い成魚放流の虹鱒いまいちファイトが物足りない
ただしファイトのほうはイマイチで、ジャンプはするものの成魚放流のそれとすぐ分かる感触だった。 ネットに入ったニジマスは案の定ヒレの丸い成魚放流モノ、もう昔みたいに綺麗なニジマスはいないのかなあと思う。リードフライのフラッシュバックニンフがしっかりと上あごにかかっていた。
ここは大石がいくつも沈んでいるのでキールフックが有効だ。同じポイントに数回流すものの反応は無くいよいよ一級ポイントの渕尻の魚を釣りましょう。ここではみんな渕尻にポジショニングしてアップサイドで釣る人が多いのだが、僕は上流から少しロングキャストして先ほどの沈んだ大岩の裏側(下流側)にフライを落とし、自然と流れに乗せてやり、浅瀬の駆け上がり付近でターンさせてやる方法をとる。この方法は魚の鼻先まで自然に流してやる事が可能で鼻先でターンさせたあとリトリーブの釣りに移行出来る合理的な釣りが可能なのだ。
タイプ2のシンクティップで深場を探っていくとドロッパーのピーターロスを咥えた。
フライがターンしたところでさっそくフライラインのフローティング部分が引き込まれ、先ほどと同サイズのニジマスがヒットした。今度のニジマスはドロッパーのピーターロスをがっちりと咥えていた。リードフライとドロッパーの両方にヒットするなどなんとも幸せな瞬間でありました。その後も同じポイントに同じように送り込んでやると同じようにヒットした。時折、強烈なアタックがあってフッキングミスをした、たぶん相当な大物に違いない。逃げた魚はデカイと相場は決まっている(笑)。 そろそろ、フライにも慣れたようで当たりも遠のいて来た。少しポイントを休ませるのがよろしいようで僕は上流に移動する事にした。
ベストから#5のフローティングラインを巻いたリールを取り出しシステムを変更する。5Xリーダーに6Xのティペットを繋いで#10のモンカゲロウパターンを結んだ。ここからは瀬をドライフライで釣り上がるのだ。流れの弛み、流心、落ち込みの巻き返しキャストを繰り返すも反応は無い。この辺は攻めきられているのだろう。グリーンビレッジキャンプ場に渡る向福橋の下は広いプールになっていてその流れ込みで二人のカップルのフライフィッシャーが ラインを伸ばしていた。最近は女子のフライマンもよく見かけるようになってフライフィッシングが広く定着して来たことを伺わせる。僕は渕尻の浅い場所に立ちこむとライズを探した。やはりライズの釣りは楽しいものだ。プールの中ほどでライズがあった、それほど大きくは無いようだがまずはそいつから。僕はその上流2メートルほどにフライを落とすと静かにメンディングを施すとドラッグフリーでフライはライズのあったポイントを流れた。下からスーッとニジマスが浮いて来たのが見えたがフライを見切ると静かにUターンして消えていった。
目を凝らして良く見ると何匹かのニジマスが水底に定位しており、時折何かを追って下流に下っては上流に戻って行く。何度かモンカゲロウパターンを流してみたが反応は無く、7Xティペットを継ぎ足しフライを#14のCDCコンパラダン(サルファーイエロー)に取り換えた。実は空中高くクリーム系の小型の名フライがスーパーハッチしておりそろそろスピナーフォールが見られるかも知れないのだ。僕は神経質な浅場の鱒の少し上流からそれこそ神経質にフライを流すのだがフライを確認しに浮かんでは見切ってを繰り返した。僕は全く同じパターンで巻かれたボディの色だけがレンガ色のアカマダラパターンに交換し同じポイントに同じようにキャストした。
#14のアカマダラパターンに替えたとたんに出た。プールを縦横無尽に走り回った。
突然、水しぶきが上がってロッドティップが引き込まれた。それほど大きくは無いと思ったのだがさっき下のプールで釣った鱒とは全くそのファイトが違う。広いプールを縦横無尽に走り回りジャンプを繰り返すニジマスは西に傾きかけた太陽の光を受けてキラキラと輝いている。足元のラインをリールに巻きとりリールファイトでニジマスをいなし渓流用の小さめなネットに誘導した。成魚放流モノとは体の艶や輝きが違うし何よりその完璧なまでに広がった大きなひれがこの魚の美しさを際立たせている。どうやらフライのサイズとカラーの勝負だったようだ。
これだけウェイトがあるとかなりの引きが楽しめる。体色も体形も申し分ない。
フライを乾かし同じ用にキャストをするとまたしてもヒット、グイグイとロッドをのしながら走り回る、いやあニジマス釣りって本当に良いものですねえ。何匹か釣ったところで、またしても反応が無くなった。魚がどこにいるのか目を凝らして探すと右岸沿いの大きな石の近くに何匹かの良いサイズのニジマスが沈んでいるのを発見した。僕はアカマダラのパターンに替えて7xティペットにフラッシュバックニンフの#8を結ぶと少し上流に立位置を変えた。右岸ギリギリにサイドクロスでキャストし上流にメンディングをするとフライ先行で大石脇に送り込んだちょうど大石の頭でフライがターンするとグンという強烈な引き込みがあってまたしてもピカピカのニジマスが掛った。
フラッシュバックニンフを送り込んで鼻先でターンさせると追いかけてきて咥えこんだ。
掛ったニジマスを別のニジマスが追って来る。見ていてなんとも楽しいがこいつは強敵、リールファイト中ジーッと言う音を立ててサセックスのリールからラインを引き出して行く。ロッドを倒してジャンプをかわす。こんなやり取りが出来るのもニジマスだからこそだ。更に数尾のニジマスを追加して今日の釣りを終えた。それにしても何故このポイントのニジマスだけがヒレピンの美形なのだろう?疑問は残るが今日の釣りに大満足だった。