8月28日 荒川(山形県)釣行
白い森の国の渓魚に会いに行く。
■8月28日 荒川(山形県)釣行
白い森の国を流れる荒川は相変わらず美しい。
夏休みは弟と遠征するのが例年のお決まりだが、今年はお互いの休みが合わずに実現できずに居た。何とかスケジュールの調整がついて週末からプチ遠征することになった。目的地は山形県小国町、白い森の国を流れる荒川だ。 息子達がまだ小さいころ白い森のキャンプ場にキャンプに行ったのが最後か、それとも弟と釣りに来たのが最後かいずれにしてももう十数年前の話だ。果たして川はどうなっているのだろうか、期待と不安で興奮を抑えられないまま金曜の夜、高速に乗った。
東北道を北上し飯坂ICで国道13号に降りると米沢方面に向かう。米沢から国道113号に入り西に向かうと新潟県との県境、白い森の国に着く。 午前2時過ぎ、今日の目的地である道の駅『白い森おぐに』に着いた、ここで仮眠をとり、翌朝荒川の上流部に向かう予定だ。
空が白んで来た頃、僕らは車を走らせた。県道261号線を荒川沿いに北上、白い森オートキャンプ場方面に向かう。荒川の流れは昔と殆ど変わってはいない、やがて左手に白い森オートキャンプ場が見えてきた。昔、キャンプ場脇の堰堤下で息子達とカジカ獲りをしたのを思い出した。更に上流に向かい川原の近くに車を停めた。とりあえず川の様子を見てみよう、タックルをセッティングして川に入った。弟が上流に、僕は下流側にを釣る事にして、左岸を釣り下った。ちょっと流れが緩やかなところにフライを流すとパシッ!と小さな飛沫を上げて何かがライズする。ヤマメだろうか、どうやら小さいらしくて素早いライズ にロッドは空振りの連続。それにしてもおかしい。どうもヤマメとも違うようだ、右岸に渡り今度は釣り上がる。浅い岸沿いの流れにフライを流すと相変わらずすばしっこいアタックがあるのだがフッキングしない。やっと一尾、フライを咥えた。小さい魚体が水面を割って宙に舞った。「あ!」フックを外して川に戻ったそれは明らかに「ウグイ」だった。どうもおかしいと思ったらやっぱり。こんな上流部にウグイがいるんだねえ。釣れなくて良かった。
20年ぶりに出会った荒川のアマゴ。サイズは小さいが朱点が美しい。
ちょっとばかりモチベーションが下がったところに弟が戻って来たので、もう少し上流に移動することにした。上流に入渓してすぐ弟にヒット、やはりウグイだった。さすがはウグイ釣り名人(笑)、ウグイ釣り名人の弟は、その後もウグイを釣っては、「また、鮎が釣れた」とくだらない冗談を言う。パシッと言うすばやいライズがあって、僕は無意識にラインを引いた。ロッドティップが軽く弧を描いた。あまり大きくは無いがヤマメらしい。ネットに収めてよく見ると体側に朱点が見て取れた、明らかにアマゴのそれであった。
ヤマメが何尾か出たもののサイズがイマイチ。
山形県でアマゴが釣れたなんて驚く方も居るかもしれないが、20年ほど前に初めてこの川を釣ったときにも僕はアマゴを数匹釣っている。その当時は今ほどの情報量も無い時代のこと、西日本にしか棲まないアマゴが釣れるなんて本当にビックリしたものだった。どうやら、漁協が放流したものらしいがその末裔が未だに生命を育んでいるとしたらその生命力には心底驚かされる。
チビイワナも顔を出した。
その後は同じくらいのチビヤマメが時々フッキングしてくれるのだが如何せんサイズが小さい。どうにもイマイチ盛り上がりに欠ける。その後、イワナも釣れたがやはり小さい。生態系については色々と議論もあるところだが、人間が介在するかしないかにかかわらず長い間に少しずつ変わって来ているのだろう。イワナとヤマメが同生息域に棲む川があることもそうだろうし、虹鱒やブラウン、ブルックなど外来種が市民権を得ている淡水域がどれだけあるだろうか。僕達人間が生態系を変えるような行動は現に慎むべきだろうが、僕らの手が届かない部分でも生態系は変わり続けて行くのだろう。自然は生き物なのだと言う事を改めて考えさせられる。さて、 釣りの方はと言うと、ウグイとヤマメを中心にアマゴ、イワナ、虹鱒が顔を出した。なんとも豪勢なラインナップだ。但し、サイズはイマイチだったが。
弟が釣ったニジマス。これも小さい。
僕らは下流に下りイブニングに望みをかけたのだが、ウグイの猛攻に完敗だった。明日の釣りはどうしたものか、ここがだめなら横川でもと思っていたのだが、結局は置賜白川を釣る事にした。先週行ったばかりだし実績もある。膳は急げ、僕らは今晩のうちに移動することにした。